NOON裁判、第三回公判傍聴レポート BY 若本洋平

NOON裁判、第三回公判傍聴レポート BY 若本洋平


今回は、NOONのマネージャーの山本陽平氏、店長の豊吉和義氏、スタッフの金谷陽平氏の3名に対する証人尋問でした。

検察側からは、主に当日ダンスをさせていたか、またNOONの前身であるdownからNOONに至るまでどのような営業をしていたかなど、営業形態についての質問でした。

弁護団からは、down(dawn)からNOONの中でどのようなことを重用視して営業やイベントを行ってきたのか、を中心に質問がありました。

検察からは、「ダンスをさせていたのですね?」という内容の質問が随所に出てきましたが、証人は慎重に言葉を選びつつ「肩を揺らしていた方はいました」とか「横に揺れていた方はいました」など、ダンスという曖昧な表現を使わずに説明しており、その言葉のやり取りには緊張感がありました。

また、3名共に「お酒を提供していたのですね?」「体を動かしていたお客様はいたのですね?」など、酒類を提供しダンスをさせていたということを確認する質問が何度も繰り返されていました。

「どれくらいの暗さでしたか?」や「照明はいくつあったのですか?」など、言葉で明るさの程度を質問する場面もあり、証人は「4~5mくらい先だと見えづらいかもしれません」と答えていました。

また、月給についても3人共に質問されていました。

2011年の冬以降アメリカ村でクラブの摘発が相次いだことを受けて、NOONは営業時間を0時までに自粛したこと、それに伴ってお客様が減ったことなども答えていらっしゃいました。
「営業について摘発をうける不安はありませんでしたか?」という質問には、風営法で規制されるいかがわしい営業はしていなかったが、摘発理由が明確に分からなかったので不安はあったという内容のことを3人共答えていました。

3月9日に警察が営業形態の調査に来たことを3人共が知っていたことを確認した後に、その後4月4日までどのような対応をしていたかの質問については、フロアの広いスペースが問題だとの説明を受けたので、テーブルと椅子の数を増やし、1~1.5mほどの幅を空けてまんべんなくフロアに並べていたことなどを説明されていました。
また、フロアの改装を検討していたが、資金上すぐに改装するには至らず、計画段階だったことも説明されていました。

「摘発当日のお客さんは何人いましたか?」という質問については、「お客さんと認められる方は20人もいなかったと思います。」との答弁でした。
それについて、「お客さんと認められるとはどういう意味でしたか?」と質問され、「警察官が数名いたと後に分かり、それ以外のお客さんはという意味です。」とのことでした。
「お客さん同士はどれくらいの距離離れていましたか?」については、「近くても1mくらいの距離でした。」とのことでした。

弁護団からは「downの頃から続くNOONのイベントは、どのようなことを重視してブッキングしていましたか?」との質問があり、「各々が得意とするジャンルの音楽を、ルーツとなる昔の音楽についての知識も持ち合わせた上で新しい提案をできる『本物』のアーティストやDJにこだわってブッキングするようにしていた」と答えていたマネージャーの山本陽平氏の言葉には、20年間分の説得力があり感激しました。

また「そうしたイベントをしてきた経緯がある中、4月4日に摘発を受け20日間拘留されていた間、どのようなことを感じていましたか?」という質問には、「自分たちのやってきたことの説明をしても、全く理解してもらえず悔しかった」と答弁されていました。

「NOONではイベントをオーガナイズする主催者とどのような形で関わっていましたか?」という質問には、山本氏、豊吉氏ともに、「場所貸しだけということはせず、イベントの内容を打ち合わせした後に、NOONで開催できるイベントかを考慮して、そのイベントをNOONで開催するにはどのような形が一番いいか、またミュージシャンやアーティストを探している方にはそのイベントにふさわしい方を紹介してブッキングしたりなど、始めから一緒にイベントを作っていくような形をとっていた」と説明していました。

また、新しいバンドやDJを積極的に応援するようなイベントも同様に開催してきた経緯を話されている中で、「現在メインストリームで活躍されていらっしゃるミュージシャンでは例えばどのような方がいますか?」との質問には、FATBOY SLIMがまだ日本ではそれほど有名ではない時期にDJプレイをしたことや、EGO-WRAPPIN’が結成される以前からボーカルの中納良恵さんが初めてライブをされた場所でもあり、その後も頻繁にライブをする場所として選んでくださっていたことなどを例としてお話されていました。

山本氏は、摘発後に友人が「SAVE THE NOON」というイベントを開催してくれて、そのイベントには沢山のミュージシャンやDJが出演してくれたこと、またそのイベントをドキュメンタリー映画として制作してくださり、今度上映が決まっていることなどを例にあげられ、これまで自分たちが20年間やり続けてきたことは間違っていなかったと強く感じています。とおっしゃられているときには、声が震えておられ、法廷全体がその想いに感激した場面もありました。

また、スタッフの金谷氏は「NOONで働きたいと思ったのはなぜですか?」との質問に、「音楽が好きな自分はNOONのホームページを見たときに、すごい方々が出演されているイベントが沢山あり、ここで働きたいと思った」と答えておられました。
最後に裁判長からの質問で「NOONで働きたいと思われた理由はそれだけですか?」との質問がありましたが「他のクラブと比べてもらったら分かると思うのですが、出演している方々だけではなく、NOONの内装や雰囲気などが本当にかっこ良くて、本当に音楽が好きな方々が集まっているからです。」と答えておられ、傍聴席ではその言葉に感動して涙している方もいらっしゃいました。

今日の公判で確認された、NOONでの営業自体がお酒と音楽を提供することを主なイベントスタイルとしていたこと、その音楽に合わせてお客さんが体を思い思いに動かすことが風営法違反となるのかどうかが、今後も大きな争点となりそうです。
それとは反して、これまでdownからNOONと続いた20年間、本物にこだわり続けてイベントを開催してきたこと、ミュージシャンやDJを育てるという目線でイベントを行い続け、そんな時期をNOONで経験しメインストリームへと成長した方々がその後もNOONを選んでイベントを開催しているという事実に目を向けたときに、それでも尚風営法上いかがわしい場所とされるのかどうかという点についても、大きな意味を持つ裁判となるのではないかと思います。

次回は摘発時に実際に現場にいた警察の方々の証人尋問となります。
警察官が何を訴えるのか、またその証言が不条理なものではないかを、傍聴席からしっかりと見つめにいこうと思っています。

■NOON裁判、今後の日程
11月11日(月)午前10時~午後5時(見込み)…証人尋問(摘発担当警察官など)
11月13日(水)午前10時~午後5時(見込み)…証人尋問(摘発を指揮した警察官 など)
12月4日(水)午前10時~午後5時(見込み)…証人尋問(学者3人)
12月16日(月)午前10時~午後5時(見込み)…被告人質問(金光さん)
1月9日(木)午後1時10分~5時(見込み)(論告弁論期日)
3月ごろ 判決言い渡し
※NOONのスタッフや金光さんに面識が無くても良いと思います。風営法の事、DJの事、クラブの未来を考えたい人は、是非傍聴席へ!

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若本洋平
https://www.facebook.com/yohey.wakamoto
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