NOON裁判、第二回公判傍聴レポート by DJ MIZUTA

NOON裁判、第二回公判傍聴レポート by DJ MIZUTA


今回は、NOONが摘発された当日に遊びに来ていたお客さんに対する証人尋問でした。

検察側からは、主にNOON店内の照明、内装、お客さん自身が来店時にどのような行動をとっていたのか?について質問がありました。

検察側の「店内の明るさはどの程度でしたか?」「他のお客さんの顔が見える程 度でしたが、遠くにいるお客さんの顔は見えませんでした」「遠くとはどの程度ですか?」「(裁判官が座る椅子を指して)あの椅子ぐらいです」というやりとりが繰り広げられました。ここで弁護団が用意したメジャーが登場しました。 「あの椅子ぐらい」を正確な数値として測定したわけです。結果、5m30cmでした。

また検察側からは、NOONでどのような音楽が鳴っていたか?音量はどの程度だったか?店の中でどのような行動を取っていたか?という質問がありました。お客さんからは「お酒を飲んだり、音楽に合わせて体を動かしたり、踊ったりという感じです」等の回答がありました。「動いていたのは足ですか?具体的にはどのような動きですか?」「腕の位置は、ひじの動きは?」等の細かな質問があり、お客さんがその場で動きを再現する場面もありました。「店内の他のお客さんで激しい動きをしていた人はいましたか?」「はい、腰をひねるような動きをしている人もいました」というやり取りもありました。2人目のお客さんは基本的に「店内のお客さんは体を揺らしていた」と表現しましたが、検察側は「ダ ンスしていた」という証言が欲しかったようで、ちょっとした押し問答がありました。これに業を煮やした裁判長から「ダンスなのか?体を揺らしていたのか?は言葉の問題。こっちとして は具体的な状況が知りたいだけ」とお咎めを受ける場面も。

検察側の「周囲のお客さんとの距離は?」に対し、お客さんが「このくらい」と 両手を広げるジェスチャーをした際も、弁護団が例のメジャーを用意。 裁判において、曖昧な表現を数値化する事はもちろん重要だと思いますが、それと同時に、あくまでお客さんが楽しみたいと思って来店しているクラブ の状況やお客さんの様子を説明するために、現在の風営法ではメジャーを使っていちいち物事を証明しなければならない。その滑稽さを映し出すシュールな場面でもあったと思います。実際問題、「NOONは風俗営業ではない」という事を主張する弁護団にとって、これらの数値が何センチなのかという事はさほど重要であるとも思えず、むしろその滑稽さを表面化させる事に狙いがあるようにも思えました。まるで文化後進国のようなこの光景、例えばヨーロッパのDJが見たら苦笑するしかないでしょう。

弁護側からは、お客さんの趣味、文化活動におけるNOONの存在意義や、摘発を受けた事に対する心境についての質問がありました。「当日のイベント、ブリティッシュ・パビリオンは満足できる内容でしたか?」「音楽に合わせて体を動かすのは楽しかったですか?」といった質問に対し、すべてのお客さんが「楽しかった」「勉強になった」「気になった曲を家に帰ってネットで調べた」など、前向きな回答をしていました。また「同じ趣味を持った仲間を増やす場」 「純粋に音楽を楽しんでいて、経営者やDJもみんなを喜ばせようとしていたのに、なぜ摘発されるのか。悔しいし、納得できない」といった主旨の回答もありました。僕のようなクラブ好きからすれば当たり前の話でも、風営法に関する裁判がほとんど行われてこなかった日本の法廷では、いちから説明しなければならないのです。

摘発当日の捜査員の行動に関する証言もありました。店内にいたお客さんに対する事情聴取があった事、一人一人に対して顔写真の撮影が行われた事も明らかにされました。また5人目の証人からは、捜査員の一部行動に不満を感じたという証言も。彼女曰く「最初に、事情聴取するのでその場にとどまるように、とのアナウンスがあったが、結局自分には事情聴取が行われなかった。大好きな NOONのためにも言いたい事があったのに、あなたはいらない、と断られた」。 恣意的とも取れる捜査員の行動は、今後ひとつの争点にもなり得ると感じました。

風営法は、基本的に風俗営業を規制する法律であったはずです。しかし、今日の法廷では、お客さんの行動そのものが争点になった。この光景を見ると、やはりこれはダンスそのものを規制する「ダンス規正法」なのではないか?と思えてきます。今日の法廷に証人として立った皆さんの勇気に対して敬意を感じると 同時に、この滑稽とも言える法廷でのやりとりに憤りを感じずにはいられません。公判はまだまだ続きます。ぜひ皆さんも実際に傍聴して、この憤りを感じて欲しいと思うのです。

■NOON裁判、今後の日程
10月31日(木)午前10時〜午後5時(見込み)…証人尋問(NOON従業員)
11月11日(月)午前10時〜午後5時(見込み)…証人尋問(摘発担当警察官など)
11月13日(水)午前10時〜午後5時(見込み)…証人尋問(摘発を指揮した警察官 など)
12月4日(水)午前10時〜午後5時(見込み)…証人尋問(学者3人)
12月16日(月)午前10時〜午後5時(見込み)…被告人質問(金光さん)
1月9日(木)午後1時10分〜5時(見込み)(論告弁論期日)
3月ごろ 判決言い渡し

※NOONのスタッフや金光さんに面識が無くても良いと思います。風営法の事、DJ
の事、クラブの未来を考えたい人は、是非傍聴席へ!

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